2011年12月19日月曜日

瀧本哲史『武器としての決断思考』

2011,瀧本哲史
星海社
星海社新書
思考,大学,自己啓発


目次

はじめに  「武器としての教養(リベラルアーツ)」を身につけろ
ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?
1時間目  「議論」はなんのためにあるのか?
2時間目  漠然とした問題を「具体的に」考える
3時間目  どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する
4時間目  反論は、「深く考える」ために必要なもの
5時間目  議論における「正しさ」とは何か
6時間目  武器としての「情報収集術」
7時間目  「決断する」ということ


ヒトコトレビュー:現代を生き抜くためのディベート思考を教えてくれる本

メモ

(メリットの3条件:内因性・重要性・解決性)
133-134p
相手が挙げるメリットの3条件に対して、それぞれ「そんな問題はそもそもないのでは?」「問題だとしても、たいした問題ではないのでは?」などとツッコミを入れることができれば、反論になります。相手の主張は破綻することになるのです。
ただの口答えが反論ではない理由がわかりますよね。
口答えは脊髄反射で言っているだけで、相手の主張のどこを崩すためのものか、言っている本人もわかっていないのです。


(「正しい主張」の3条件①主張に根拠がある②根拠が反論にさらされている③根拠が反論に耐えた)
161-162p
賛否両論でも「決めること」が大事
③の「根拠が反論に耐えた」は、この授業で何度も言っていることです。賛成側の根拠と反対側の根拠を何度もぶつけ合って、どちらがより正しいかを決めていくわけです。
反対論より賛成論が良ければ、賛成論を「いまの最善解」として扱うことを決める。逆に、賛成論より反対論がよければ、反対論を「いまの最善解」として扱う。それだけのことです。
正解ではなく、いまの最善解を導き出す。
これはディベート思考の根本的な考え方でしたよね。

よくあるダメなパターンは、「賛否両論だから決めない」こと。
「いろいろな意見があってよくわからないから、とりあえずそのままにしておこう」と問題を先送りすることがありますが、実は情報をコントロールするような人はそれが狙いだったりします。
賛成の意見と反対の意見を適当にばらまいて、議論の収拾をつかなくし、現状を存続させる方向に持っていくのは、情報コントロールの基本中の基本になります。そういった「腹黒い優秀な人」に好き勝手やらせないためにも、いろいろな意見が出たら、しっかりそれぞれの根拠に対して反論し合って、暫定的な結論にまでもっていかなければなりません。
みなさんは、自分たちの力で議論をまとめる力を身につけてください。

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